偉大なる建築家フランク・ロイド・ライトを語る時、日本の美の影響を語らずにはいられません。そして、日本も、フランク・ロイド・ライトから大きな影響を受けたのです。日本は、ライトが生活し、創作し、そして愛した、米国以外の唯一の国なのです。

ライトが東京に住んだ1917年から1922年の6年間に、ライトは独創的な建築物の設計と、それに匹敵する伝説を残しました。帝国ホテルの建設は、日本人たちに貴重な経験を与えました。さらに、ライトは、在日米国大使館、学校、ホテルとその別館、映画劇場、邸宅を始め、計14を越える日本に建つべき建物をデザインしています。そして、このうち、帝国ホテル本館/別館、自由学園明日館、林邸、福原邸、山邑邸が建設されたことが知られています。

このドキュメンタリー映画は、ライトの不朽の業績を探求するとともに、日本の弟子やライバルたちの業績をも辿る作品です。ライトの右腕と言われ、ライトと唯一功績を分かち合った遠藤新、日本における43年間の活動で日本建築の近代化を促進させたチェコ生まれの「過激な進化主義者」と呼ばれたアントニン・レーモンド、土浦亀城/のぶ夫妻、田上義也、岡見健彦、菅原栄蔵、下元連、天野太郎、彼らは、今も日本の景観に映える自らの傑作を創出し、そして、次世代の建築家たちの指導者にもなったのです。

「偉大なるオブセッション:フランク・ロイド・ライト/建築と日本」は、ライトの創造的精神と日本との関わりを掘り下げ、ライトの日本への偉大な愛の軌跡を描写した初めてのドキュメンタリー作品です。

ライト研究家、建築家たちのインタビューに加え、ライトの功績を豊かな局面から捕らえ、これまでに一般公開されなかった記録映像、新事実を伝える資料、数百を越える貴重な未公開写真、スケッチ/設計図で構成されています。そして、ライトの建築思想だけでなく、建築物の文化的意義、保存と活用についてもじっくりと考える機会を与えてくれます。

* このほかにも、ライトがデザインした建物は、数多くあるといわれています。「偉大なるオブセッション」は、最近になって発見されたフランク・ロイド・ライトの建築物も紹介しています。

ご注意:
本作品のナレーションは、カタカナ言葉を英語の原音に近く発音をしています。この映画をご覧になった方の国際交流に役立つことを期待しています。